今回ご紹介するのは、宮城県仙台市にある真言宗智山派-弥勒院(みろくいん)本堂に建立された門柱・石塀です。施工は仙台市の黒田石材店。創業は慶長六年。江戸時代後期-仙台城(通称:青葉城)築城のころより伝統を受け継いでおり、現社長の黒田孝次氏で18代目となる老舗の石材店です。
■十三仏の彫刻をあしらった石塀
石塀には窓枠が設けてあり、そこに法事をつかさどる十三仏の石彫刻が置かれています。青石製の十三仏は、彫刻の造形について随一の技術力を持つ、当社の中国協力工場にて制作。細部に渡って施主様のこだわりが感じられる彫刻となっています。窓枠は全部で13箇所。設置作業においては、寸法変更や微調整が必要とされ、黒田石材様の工場にて、度重なる部材加工を行いながらの作業となりました。
■門柱は2尺角一本もの
門柱には2尺角の1本モノの御影石が使われており、重量は約3トン。その重量ゆえに、設置作業においては細心の注意がはらわれ、気の抜けない作業の連続だったといいます。門柱脇には以前から本堂に残された石碑も設置されています。
■立体彫りの表札
黒御影石を使った表札の文字は、際(きわ)ほど深く彫り、中央に近づくにつれて浅く彫る”立体彫り”(かまぼこ彫り)によるもの。文字が立体的に見えるよう工夫されています。
■門柱・石塀の表面仕上げ
以前にもこちらで紹介した彌勒院-墓地の門柱・石塀と同じように、表面の仕上げは本磨き仕上げとビシャン仕上げ。それぞれの部材の角の部分のみ本磨き仕上げ/それ以外はビシャン仕上げと変化をつけることで、1種類の石材を使いながらも、微妙な色の違いを生かし輪郭が映えるようにデザインされています。
( ↓写真は彌勒院-墓地の門柱と石塀 このたび表札も取り付けられた )
◎宮城県仙台市 黒田石材店 ⇒こちら