南部杜氏(なんぶとうじ)は、日本三大杜氏の筆頭に数えられる洗練された酒造りの技を受け継ぐ杜氏集団です。1678年(延宝6年)、近江商人の村井権兵衛が酒造りを始めた岩手県紫波町は”南部杜氏の発祥の地”と言われおり、このたび、日本の酒造りを支える南部杜氏の歴史や文化を次世代へと残すために記念碑が建立されました。
【 記念碑の施工:紫波町 (有)紫波石材 様 】
記念碑の施工をされた(有)紫波石材 佐藤忠雄社長も、約30年前、埼玉県内で杜氏として活躍されていた経歴の持ち主。地元・紫波町に戻り石材業を始めて間もない頃は、「杜氏が変われば、酒の味も変わってしまう」との理由から、冬期間のみ監督役として酒蔵に通う日々が続いたそうです。そのため、今回の記念碑が完成した際には、その喜びも一層強いものだったといいます。
岩手中央農協の旧上平沢出張所跡地に建立された記念碑。本体の表面に刻まれた「南部杜氏発祥之地」の文字は、藤原孝紫波町長によるものです。また、本体部分に刻まれた建立の由来やその他の文字は、岩手日報書展会常任理事で同町在住の書家・金濱律子さん(雅号:竹泉)が揮毫されたものです。
今から約3年前、町内の杜氏が中心となって記念碑建設委員会(大沼由孝会長)を設立。賛同者や酒造メーカーなどより寄付金が募られ、このたび記念碑が建立される運びとなりました。寄付していただいた協賛者の方々の名前は、記念碑の裏面に刻まれています。酒造りの技術を伝承し、全国で活躍する南部杜氏。多くの関係者の方々の気持ちが込められた記念碑です。
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台座部分には、紫波町で酒造りを始めた村井権兵衛の略歴や、杜氏たちが酒造りの際に唄う「留(とめ)仕込み唄」(一定のリズムを持って唄われる唄は、何回唄うかで作業時間の目安とした)を彫った銘板がはめ込まれています。
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(有)紫波石材の佐藤社長は、このたび建立された記念碑の他、地元の紫波町を中心に多くの石碑を手掛けています。今回は特別編として、その一部を写真付きで紹介します。
■黒岩地区農業基盤整備事業完工記念の碑「万緑豊穣の郷」 (岩手県北上市)
■宮沢賢治「三月」詩と「石鳥谷町地図形」碑(道の駅:石鳥谷/岩手県花巻市)
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■低コスト化水田農業大区画ほ場整備事業徳田第一地区「徳田豊穣郷」(盛岡市)
■銭形平次の原作者、野村胡堂の詩碑「故里を訪れて」 (岩手県紫波町)
■県営経営体育成基盤整備事業 彦部佐比内地区「天空の郷」 (岩手県紫波町)
◎ 岩手県紫波郡紫波町 (有)紫波石材 ⇒ 地図
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