*青森県 十和田市現代美術館 外観
*ジャウメ・プレンサ ≪EVEN SHETIA≫ 右の写真はプレンサ氏によるイメージ図
十和田市現代美術館の周辺に平成22年春にオープンした体験型のアート広場-Art Squareには、自然石の玉石を使ったモニュメント作品≪EVEN SHETIA/エヴェン・シェティア≫が展示されています。作者はスペインを代表するアーティスト、ジャウメ・プレンサ氏。鉄や岩、ガラスなどの素材に、文字や文章、照明を用いて独自の空間を構成する作品を制作しています【*1】。この巨大なモニュメント作品の施工を行ったのは、青森県青森市の(有)やまよし石材店様。モニュメントには、秋田県と山形県の県境にそびえる鳥海山で採掘された玉石が使用されています。今回は、山での石の選定~施工に至るまでの製作過程を、写真でご紹介いたします。
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◇ 石を選ぶ
「巨大な自然石の玉石」というプレンサ氏からの要望に応えるために鳥海山へ。(有)やまよし石材店様と共に、デザイン事務所の方や、南条画廊、十和田市役所職員の方々にも同行していただき、デザインに合う玉石を選定しました
スペインからジャウメ・プレンサ氏(下記の写真左はじ)が来日。鳥海山の麓に降ろした幾つかの候補の中から、プレンサ氏が1つの玉石に絞り込みます
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◇ 石を加工する
プレンサ氏によるイメージ図(冒頭に掲載)の通り、照明を駆使した神秘的なアート空間づくりのために、玉石中央には直径600ミリの貫通穴(ボーリング)を開けていきます。ボーリング用のコアドリル(孔あけ)は特注サイズで、貫通作業には約2週間を要したといいます
*直径600ミリの貫通穴を開けるための特注サイズのコアドリル。玉石の高さに合わせて継ぎ足していけるように、端の部分が”ネジ式”になっています。写真下は貫通後の玉石
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◇ 石を据え付ける
(有)やまよし石材店様によるモニュメント作品の据え付け工事。土台となるコンクリート部分には、玉石の貫通穴から天へ向けて光を放つための特注のスポットライトが内臓されています。土台から伸びる金属製の筒は、スポットライトの光を通すためのものです。「官庁街通り」を挟んで、美術館の建物むかい側のアート広場-Art Squareに設置されました
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◇ 完 成
ジャウメ・プレンサ ≪EVEN SHETIA/エヴェン・シェティア≫
*夜はライトアップされ、中央より光の柱が伸びる 右の写真はArts Towada HPより
*撮影:2010年5月
Arts Towadaは、十和田市現代美術館を中心とした青森県十和田市が推進するアートによるまちづくりプロジェクトです。十和田市の中心市街地に位置する長さおよそ1.1kmのシンボルロード「官庁街通り」全体を美術館と見立て、アート作品、十和田市現代美術館、アートプログラムの3つの要素を柱に展開されています【*2】。
平成22年(2010年)春、美術館周辺に今までにない体験型の大型アート作品が展示されたアート広場-Art Squareが4月24日(土)グランドオープン。さらに官庁街通り歩道には、アーティストや建築家によるストリートファニチャー(ベンチ)も設置され、より魅力あるアートの通りを創出しています【*2】。
■出典・参考文献
*1…Arts Towada 十和田市現代美術館(十和田市ホームページ)パンフレット
「官庁街通り野外芸術文化ゾーン整備」概要について(PDF 368KB) 最終アクセス2010年7月13日
*2…Arts Towada 十和田市現代美術館
「十和田でアートの新しい体験 第二幕。アート広場 Art Square OPEN」 最終アクセス2010年7月13日
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◇ 十和田市現代美術館HP(Arts Towada 野外芸術文化ゾーンについて) ⇒ こちら
◇ ジャウメ・プレンサ/プロフィール
TAMADA PROJECTS CORPORATION
「アーティスト紹介ーJaume Plensa ジャウメ・プレンサ」 最終アクセス2010年7月14日
◇ 青森県青森市 有限会社やまよし石材店ホームページ ⇒ こちら