山形県東村山郡中山町(三軒屋地区)の集落墓地では、地元に根付いた形のお墓が昔から残されています。今回ご紹介する秋葉家一族様墓所も、その1つ。同じ区画内に、複数の家族のお墓が寄り添い、互いに支え合い、協同で管理・供養する形がとられています。 〔施工:山形県中山町 (有)小松石材工業 様〕
このたび改修工事がおこなわれた秋葉家一族様の墓所には、7件の御家族のお墓が建立されています。古いお墓や灯篭も残す形で、新たに最上石(富沢石)を使った間知積みの外柵をつくり、敷地中央には協同供養塔となる拝み石(=15寸角の上蓮華墓)を置き、その前方に香炉花立一体型の納骨堂が7基設けられています。
(有)小松石材工業 小松俊行社長のお話によると、「中山町-三軒屋地区では、昔から一族ごとに同区画内にお墓を建立する例は多く見られました。しかし最近では、核家族化や転居などを背景に、このような例は徐々に減ってきています」とのこと。
ただ、個別に新しいお墓を建てる場合、なかには「跡継ぎがいないため、お墓を残すことに不安を持っている」という方もいたそうです。そこで小松社長は、協同で改修工事を行うことを提案。施主様の要望に耳を傾け、それらを元に提案型の営業ができるのは―地元に根差し、地元に貢献できる仕事を心掛けている石材店だからこそ―なのではないでしょうか。このたび協同で改修工事ができたことで、たとえ跡継ぎがいなくなったとしても一族の家族の方が代わりにお墓を守ってくれるため、施主様も安心感を得ることができているそうです。
無縁墓になってしまう心配から、墓地管理や供養を共同で行う合祀墓や、永代供養塔が増えつつある昨今。お墓が”家族や親戚との絆”を再確認する場所であることを、改めて教えてくれる工事事例でした。
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