10月25日、仙台国際貿易港の視察・体験セミナーに参加させていただきました。今年度は「東日本大震災からの復旧・復興」をテーマとしたもので、港の復旧状況や復興へ向けた取り組みなどを体感できるものでした。セミナーの概要を写真にて紹介いたします。
◆ 開会(卸町会館) ⇒ バス移動で仙台港へ
はじめに仙台市の卸町会館で、セミナー趣旨や見学ルートの説明が行われました(上記写真)。その後バスに乗り込み、仙台港へと移動。移動中のバスの車内では、スタッフの方より震災発生後の仙台港の様子や、港としての機能を1日でも早く再開させるために、どのように復旧されていったのか時系列に沿って解説していただきました。
◆ 視察【1】…中野埠頭/ 1.自動車専用船(蓉翔丸)
名古屋の株式会社フジトランスコーポレーションさんの自動車専用船(蓉翔丸)。自動車や建設車両の他、トレーラー貨物を輸送することができるそうです。
◆ 視察【1】…中野埠頭/ 2.太平洋フェリー(きたかみ)
「きたかみ」は太平洋フェリー株式会社さんの船のなかでも、最も長く活躍している船。地震発生時にもこの場所にあり、船首の開口部(バウランプ)が閉じないまま沖に緊急出港。なんとか津波を逃れることができたそうです。セミナーではバスに乗ったまま、フェリーのトラックデッキ内も見学させていただきました。
上記の写真に写るのは、デッキに積んだ車を固定しておくための器具。
◆ 視察【2】…高砂コンテナターミナル/ 1.概要の説明(管理棟屋上にて)
さらにバスで移動し、コンテナの荷揚げが行われる高砂コンテナターミナルへ。管理棟屋上で三陸運輸株式会社さんによる概要説明です。津波による大きな被害を受けながらも、船を着岸させるための高砂1号岸壁(耐震構造)が無事だったため、震災後は救援物資の荷揚げにも使われたそうです。
セミナー当日、高砂1号岸壁では9月より稼働再開されたガントリークレーン(2)号機を使って、コンテナの揚げ荷役が行われていました。空コンテナの他、損傷したコンテナ等もデッキ内に並べられて、従来よりも狭いスペースの中で集中的に作業を進めなければならないようでした。
高砂コンテナターミナル・管理棟屋上の手すりには、震災直後の被害の凄まじさを伝える写真も貼られていました。
◆ 視察【2】…高砂コンテナターミナル/ 2.デモンストレーション(高砂1号岸壁)
続いて、普段は入ることができないコンテナヤード内へと移動し、塩竃港運送株式会社さんによる解説のもと、ガントリークレーン(2)号機による荷下ろし作業の見学。
コンテナ荷下ろしを終え、出港する株式会社横浜コンテナラインさんの船「オリオン」
フラットラックコンテナ(前後の壁がないため、大型の建設機器・医療機器を運搬可)
仙台港では日本初となる!45フィートコンテナ利用も可能となるそうです(通常は20フィート(6m)か、40フィート(12m))。北米や中国向けに、より効率的な輸送のための活用が見込まれています。
◆ 視察【2】…高砂コンテナターミナル/ 3.高砂2号岸壁復興工事の説明
津波によって被災し、損傷・地盤沈下のある高砂2号岸壁は、現在24時間体制で復旧工事を実施中。11月末には北米航路の大型コンテナ船が利用できるよう、同時進行でガントリークレーン(4)号機の工事も進められています。
コンテナを船から下ろすためのガントリークレーン(4)号機も復旧工事中。
損傷のあるコンテナは分類され、一部修復可能なコンテナの修理も行われていました。
◆ 視察【2】…高砂コンテナターミナル/ 4.タグボートのデモンストレーション
宮城マリンサービス株式会社さんによるタグボートのデモンストレーション。前後移動や旋回など、海上での縦横無尽な動きで岸壁の復旧工事においても活躍されているそうです。
◆ 講演会・閉会…『仙台港を利用しての輸出入について』
最後は再び卸町会館へと戻り、近江郵船物流株式会社さんによる『仙台港を利用しての輸出入について』の講演会でした。仙台国際貿易港を起点とした、荷主さんの要望・ニーズに沿った柔軟な輸送提案についてお話していただきました。